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多分駄文日記 | テイルズウィーバー

TalesWeaver テイルズウィーバー ドゥルネンサ、通称$鯖に生息するミラ 壱無知 來智の贈る生産性のない、 無駄駄文なブログ
酔い人の傾向と対策 其の伍

- 5 -

さてと。
軽く楽観を吐き捨てるように一息ついて、視線をちびに戻す。

子猫はレジストで具現された自らを包む薄い乳白色のピラミッドの
中で、まるで、水で満たしたペットボトルに写る伸びた自分の姿が、
ちび本人だとは認識出来ないかのように、微かな怯えと、好奇心と
が混じった瞳で障壁を眺めては、時折、指でツンツンと突っついて
は引っ込め突っついては引っ込めを繰り返している。
仕舞いには、にゃーと睨んで相手(ちび本人)を威嚇。
完全に猫になりきってるよ・・・・・・
ハチャメチャで性質の悪い酔っ払い。大人しくなったり、泣き上戸
や絡み酒、性格が変貌したり、本性、本能部分が曝け出されたり、
いろんな一面を垣間見れる酔い。
楽しくも気持ちのいいと思える酔いの程度で留めて置くのがベスト
と考えるが、一口で暴走魔術を引き起こす酔っ払いは、当然の如く
初めてであり、絡まれり泣かれたり(鳴きでなく)の方がよっぽど
まっしだと実感したのも初めてだ。

ちびに近づくことが出来ない状況で、事態を収拾させる方法を模索
してみる。
肌を焦がすように照り付けてやまない太陽が、汗を滴らせては、思
考回路に邪魔をいれてくる。
帰ってシャワーの計画がまたもや浮上してきた。
!?
思考のロールバック。記憶の再取得。
(暑さを熱さで吹っ飛ばす、まあ相乗になるか、相殺になるかは試
してみないと、わからないのですがね・・・・・・)
依頼主の顔。酔いは酔いで吹っ飛ばす。ちびの今の状態がほろ酔い
というのなら、いっそのこと潰してしまえばいい。潰れるか、悲惨
な悪夢が地獄へと誘われるか、
ただ、やってみる価値はある。

近くで転がっている酒を拾い、紙袋の中身を確認してみると、依頼
の品は無事に原型を留めている。
酒を飲ませる方法は近づけない分、自爆の罠を張るか、距離を取っ
て押し込むか・・・・・・悠長に罠に掛かるのを待っているわけにはいか
ないため、後者を選択。
酒のつまみにと買わされた依頼品の中から、手頃な大きさの大福を
取り出し、出来る限り外側を薄く残すように中身をくり貫き、そこ
へ酒を注ぎいれる。
折角だし最強激辛香辛料のデスパウドやレモンなんかも絞って、
大福の口を塞いで、軽くシェイク。
即興即席カクテルのデスドライブ完成。

あとはこれをちびに・・・・・・

「にゃにゃあああああああああああああ!!!」
レジストに映る自分の姿との格闘に業を煮やしたのかちびが急に
叫び出した。
この叫びは危険だと先刻承知!
すぐさま足元を確認。光ってはいない。
周辺をざっと流し見て見るも魔方陣が展開されている様子はない。
どうやら打ち止めなのか?あれだけ高度な魔術を量産すれば、さす
がに潜在魔力が空っぽになるのは否めない。手に持ったカクテル大
福の活躍は日の目を見ることなく、事態は終息方向となったようだ。
ホントこんな日差しの強い中で、冷や汗かかせ・・・・・
あれ・・・・・・日差しが強すぎる・・・・・・というか明るすぎる気が・・・・・・

ハッと頭上に目を向ける。
あったよ。
直径20メートルはあろうかという最大級のでかさの魔方陣が、
花火の如く、空中に浮かび上がっていた。
青い無限のキャンパスに、神秘的なまでに美しく巨大な画が煌々と
描かれ、観る者を魅了する感動的な圧倒感に、鳥肌が立っている。
だが、魅惑に惹きこまれている場合ではない。
巨大であるだけに魔方陣は完成には至っていない。完成してしまう
と、発動を抑えることは最早叶わないだけに、最善最速で対処が必
要とされている。

ぐっ・・・

右手のカクテル大福を優しく握り直し、ポカーンとだらしなく口を
開けたちびの的を見据え、構える。
失敗は許されない。魔術は発動間近。外せば世紀の大魔術の餌食に
なることは請け合いだ。

じわりとプレッシャーの押し寄せる中、ちびの口目掛けてカクテル
大福を投げた。
無回転ながらも楕円をくねらせて大福もどきはほぼ一直線にちびに
向かい、見事口の中に着地。
「んぐ!?」
異物を投げ込まれたちびが呻き声をあげ、次いで、ゴクリっと気味
の悪い音が鳴る。

次の瞬間、
「んぎゃああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ」
おぞましい程の奇声。
と同時に、驚嘆すべきは、大道芸でよくみる、酒を含み、口をすぼ
めて吹き出して着火させた時のような、豪快で華々しい火を口から
吹き出したことだ。
猫からモンスターへと変化さしめた大福爆弾、これほどの威力だっ
たか・・・・・・

予想以上の爆撃効果に投下した本人ながら少し焦りを感じ、汗が
薄っすら顔を撫でる。
ちびがもたらしていた魔術への関連効果も現れる。

ピラミッド型の障壁にヒビが入り、安定が損なわれ力の分散に偏り
が生じると、亀裂は全体に及び、至る所で剥離していき、あれだけ
強固で頑強を誇っていたシールドは脆くも崩れさって溶けるように
して消えた。
頭上で展開されていた未曾有の魔方陣は、発動することなく霧散し
て、真上から雪のような光粒が、ゆらゆらときらきらと降って来て、
眩く彩り、地上を明るく照らす幻想的な光景を作り出す。
ちびはそんな雪に消火されたのか、口からはモクモクと煙をくゆら
せている。
体内での爆発によって意識はすでにないようで、白目で硬直した身
体が前傾に倒れかかるところを、体を寄せて抱きとめる。
真っ赤に腫れ上がった唇が凄惨さをまざまざと物語っている。

周囲に静けさが戻って来た。

一段落して・・・・・・
気付くと、飲みかけ食べかけの手荷物と、騒ぎ散らかした雑多な
残骸と、意識を落とした酔っ払いと、後片付けを余儀なくされる
しらふの私と。

***

カーテンの隙間から零れてくる日光が照明代わりの薄暗い部屋に、
風が空気をかき混ぜて、なだらかに流れる時間の中、居心地の良い
空間がじっくりとリラックスを誘う。
窓側の壁とは対面に置かれた、真っ白いシングルベッドの上に腰掛
けた私は、横になってスヤスヤ眠る子猫の愛らしいまでの寝顔にか
かる髪を、指でスッと払うと、子猫は敏感に反応してむにゃむにゃ
とくすぐったがって、薄っすらと重たい目を持ち上げた。
「ん、んー」と目を擦るちび。本日2度目の光景だ。
「ゴメン、ゴメン。起こしちゃったか」
「あっ、おねぇさん・・・・・・ん、んん?あーあーそうだよ、そうだよ。
お姉さんにね、見て欲しいんだ。いっぱいいっぱい練習したんだよ。
そんでね凄いんだよ。ドッカーん、ドッカーンって・・・・・・んっ・・・・
・・あたまいたい・・・・・・」
多少記憶に混乱があるようだが、どうやら前回目覚めてから、眠り
こけるまでの、大騒動の記憶は、ほぼすっぽりと抜けているようで、
私に練習成果を見せる工程へと逆戻りしていることに少し安堵する。
「もうちょっと横になって寝てた方がいい。今、水を持ってきてや
るよ」

頭が痛いのは自業自得だ。気持ちよく寝て、清々しく起きれたら、
何も言うことはなく酒を鱈腹飲むだろうが、気持ちの良い余波は不
快感となって後々訪れて、自分を苦しめる。
それは飲み過ぎによる身体への影響を警告するものであるし、反省
や戒めでもある。
要は自分のアルコール分解処理能力を把握して、許容範囲内で、抑
制しながら、楽しく飲もうっということだ。
判明したのはちびのアルコール耐性は極端に低く、また、地獄絵図
を見たくない限りは、絶対唯一間違いなく、二度と酒を飲ませては
いけない、ということだろうか。

コップに水を注いで、枕元のちびへ手渡すと、ちびは「ありがと」
っと言って、受け取ったコップを口へと運ぶ。
透明に澄み切った冷たい水の中、細かい気泡が浮き上がっていく。
ゴクゴクと、ちびの喉へと留まることなく流れ落ちていき、いとも
あっさりと一杯の水を一気に飲み干して、「ぷはー」と一息漏らし、
一服する間もなく次の一声。
「おかわり!」
その声に呆然と私は呟く。
「お前は・・・・・・」
「お前じゃない!」
間髪入れずの、いつもの何も変わっていない突っ込み。
「うるさい小猫だわ……」
そそくさとコップを奪い取って、顔を背けるも、堪えきれなかった
笑みが零れ出す。
穏やかな午後、再度調達しなければならない依頼品のことなんて
今は横隅に置いておいて、今日は酒を飲もうと決めた。


酔い人の傾向と対策   - 完 -
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酔い人の傾向と対策 其の四
- 4 -


猫の鳴き真似なのか「にゃー」と叫んだちびの一声を基に、
空気が震えた。

まず、異変は自分の足元から。
真下が光ったかと思うと、光は私の足を中心として波紋の
ようにスッと拡がり、一定の大きさで留まる円を出現させた。
折り畳まれ、圧縮されていたものが解き放たれたように、
強い光を発し、真円の内側には奇怪で歪で綺麗な七角形が
描かれている。
円の中だけ外界とは切り離された異空間にいるかのような
違和感に包まれ、光る地面からは熱が伝わってくる。
空気が熱せられているように、重たく、息苦しい。
やばっ!
瞬時に膝を折り、全身をばねのようにしならせて、全力で
地面を蹴る。
円の中心からの引力としか思えない力に引きづられ、動き
が鈍るも、身体の半分以上は外側に逃がせたところで、
2歩目を踏む。
突拍子もなく突然現れた円―魔方陣の外へ移動出来たと同時、
背中に衝撃が走る。
魔方陣の内部で火を噴き、炎となって、空気が燃えた。
爆発とも言える爆音と衝撃が背中から内臓へと、直に響くと、
自分の周りの酸素を全て消失させたかのように、息が詰まり、
空気を吸うことも、吐くことも出来ない。
肺の中身が空っぽになったのか、胸を締め付けられると、
息苦しさは途端に増して、
顔を歪ませる。目に涙が滲む。
背中から襲ってきた衝撃に、バランスを崩し、前のめりに
倒れそうになったため、片手を地面に付け、身体全体への
衝撃を肘で緩和させると、重力と慣性と反発とが肺を動か
し、詰まっていた酸素が身体をまわり始めた。
「・・・・・・っう!」
急激な心肺機能回復にて、正常に息が続かずに、咳き込ん
でしまう。
涙目ながら、後ろを振り返ると、炎が魔方陣の円の内から
は出ずに、炎柱となって燃え続けている。
多少離れたものの、熱は伝わってきて、まさしく熱い。

炎柱から目を逸らし、手に視線を落とすと、右手が光って
いた。
直感、身体が動く。
光から離れるのと、魔方陣へと展開されるのとはほぼ同時
であった。
次の瞬間には爆発。足元に注意を払う。右前方に光が現れ
る。
よく周りを見てみると、ぽつぽつと地面が光り、様々な大
きさの魔方陣へと輪を拡げ、炎や大地の隆起、氷結など、
見事な魔術模様が繰り広げられている。

何だコレは!?同時にいくつもの魔術を発動させている・・・
・・・しかも大きさもばらばらで、ロジックも異なる出鱈目だ
が正確無比な魔術。
まして詠唱も無ければ、ビルドされる魔方陣の反映速度と
速射の異常さを考えれば、まるで出来上がった魔術を水風船
のようなものに封じておいて、それを宛てもなくそこら
中に放り投げているかのようだ。
有り得ない。スキルレベルの高い魔術師でも2つの魔術を
同時に発動させるのはデュアルドローと呼ばれるAランクに
類する至難の技。
それが・・・・・・っと、唖然と呆けている場合じゃない。

まあ反射神経には自己評価ながら、定評はあって、魔方陣
を避けるのはそれほど難しいことでは無くなってきた。
しかしこのままというわけには行かない。ちびには悪いが、
眠ってもらうか。

未だ鳴き止まずに、にゃあにゃあ言っているちびに身体を
向け、様子を伺いながら、ゆっくりと間合いを詰めていく。
自分の足元と周囲を意識しつつ、ちびを注視してみると、
ちびの足元が突如光り始めた。
例の如く、輪を展開する。

まずい!
考える前に身体が動く。渾身の力で地を蹴る。姿勢を低くし、
極度な前傾姿勢で駆ける。
魔方陣として形を成した光跡が、眩く地面から湧き上がって
いく。
そんな事態は露も感じず、ちびはぼけーっとどこを見るとも
なく呆けた様子に変化無し。
「ちびぃぃぃぃぃぃぃっっ!!」
目覚めを促すこと、自分を鼓舞すること、しかし私の叫びは、
ちびに届かない。
間に、合わない・・・・・・!
魔方陣がちびを引き摺り込むかのように、光跡を伸ばしていく。
既に発動している。完璧に組みあがったロジックが発動を始
めたら、止めることは難しい。
発動をキャンセルするロジックを組み、魔方陣に割り込みを
かけ、尚且つ、それを発動から具現までの間に、全て行う必要
がある。
今のちびには無理だ。
手を伸ばす。まるで届かない距離なのはわかっている。それ
でも、身体と意識の総てが、ちびを掴まえたいと吼えている。
ちびの身体を純白の光が包む。

ちび、ちび、ちび、ちび、ちび!!

今に真っ赤な炎が具現され、炎柱に焼かれるちびの姿が脳裏
を掠めるが、目を背ける訳にはいかない。

止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!

期待や希望、願いではない。信念やそれこそ呪詛のように
一心不乱な叫び。
しかし、知ったことかと、無残に無関心に、無音で膨れ上がった
光が、ちびを一瞬で焼き尽くすかのように、弾けた。

ちびっ!

最早言葉は、叫びにならない。


弾けて薄らいだモヤの中で、我関せずと、ちびは悠然と立って
いた。
シャボン玉のように薄く、柔らかく、光沢のあるピラミッド型
の光を纏って。

レ、レジスト・・・・・・

バケツに溜めた冷水を真上から被せられたように、頭の中に
空白がぶちまけられる。
思考は止まったが、身体の勢いは殺せず、光る障壁はすぐ目の
前まで迫っていた。
まあいい。このまま突っ込んで、無秩序極まりないちびに一撃
をお見舞いせねば。

身体が障壁に触れた途端、まさしく強固な壁に衝突すると同様
に、私はものの見事に身体を弾き飛ばされ、最初に腰掛けてい
た木に叩きつけられる。
近くにコルクが抜かれ、半分以上零れてしまっている、元凶の
酒が転がっている。
っつ痛いなぁ・・・何なんだ・・・・・・たかがレジストで何故弾かれる!?
レジストは簡単に言えば魔法や魔術といった攻撃を通さない、
魔術障壁。
物理的な攻撃を通さない魔術は別に存在する。
人間、私は勿論人間であり、有機体であるわけで、まさかとは
思うが、人間の形を模した魔物ではないし、どこぞの高尚な魔
術師が作り上げたドッペル・ゲンガーではないし、
分身の術ですぐにやられてしまうかませ犬でもない。
と、なると・・・・・・誰しもが持っている潜在的な魔力に反応して
いるとしか思えない。
ただ、それは遺伝にもよるが、魔術師家系になければ、個々人
の持つ魔力なんてものは、
微弱なもので、レジストが反応を示すものではない。
しかしながら、拒絶が起きているこの事態。
超強力なレジストであるのか、もしくは物理攻撃と魔法攻撃を
跳ね除ける万能の障壁で
あるのか、どちらにしても信じられないロジックスキル・・・・・・
感心は同時に対処方法の困難をも裏付けている。
どうしたものか。

薄くも強固極まりない壁の中、ちびは素知らぬ顔で、明後日の
方向を向き、寝惚けた様子でふらふらと、無意識で無秩序な醒
めない夢の中を漂っている。
どこかで爆発音が鳴り、日差しに上塗りするような熱気を作り、
どこかで雷鳴が鳴り、新緑の木を真っ黒でか細い炭へと変え、
どこかで地面が盛り上がり、地響きとなって身体を揺らす。

場の様相、雰囲気が一変して、環境の変化についていけず、頭の
中は、帰りたいモード一色なそんなやる気のなさ。
「だりー」
そうそう。コレも無意識下で零れる単語のひとつだね。
酔い人の傾向と対策 其の参
- 3 -

一体、何分経過しただろう。
何度繰り返してみても、結果、魔方陣は音も立てずに消えていき、
魔術は発動することなく虚しさが残るのは変わらない。
そんな中、魔術発動のきっかけであり、合図であり、結びである言葉は
次々と変わって言った。
「ファイヤーボォォォルー」
「ファイヤーアロォォォー」
「ファイアーボォゥル」
「ファァイイヤァ」
「ファファイファーイ」
「火の玉ー」
「ひぃぃーーーーーー」
「燃えてぇ!」
「お願いします!」
「わぁーーーーーーー」
最後の方は心情そのまま、はたまた懇願などになってしまっているのが、適度な混乱具合を主張している。

――

静かになった。

ちびの元気は詠唱する度に、言葉と共になくなっていったようで、
ここへ来た当初同様に、寧ろ、傷心が疲れに乗っかって、
当初以上に疲れているようだ。
「うぐっ、お、おねぇさぁぁぁぁん・・・・・・」
じめじめと這いつくばった呻き声が、私を取り込もうとするように、
じわじわと近づいて来る。こちらに駆け出すちび。
ちびの纏ったマイナスな波動には触れまいと、機敏に立ち上がり、
ホーミングされない程度にざっくりとかわすと、標的を失ったちび
は「わ、わっ」と慌てつつ、私の座っていた根付近に寄り掛かるよう
にひざをつき、ぐったりと力尽きる。
「おねぇさん・・・・・・どうして避けるんですかぁ~」
「いや、ほら、避ける以外の選択肢が出現しなかったからな」
「標準で『支える』って選択肢はないんですかぁ~」
「それを選んでも得るものが重さと暑さなんてデメリットしかなさそうだからね、有無を言わずに避けるを選んだわけ」
「なっ、お、重いとはどういう意味っ!」
「重量があるってことかな」
「がーん・・・・・・」
避けることによって機嫌を損なわせるという、デメリットもあるのだが、考える前に身体が動いていたというのが真実か。

さて、前回の助言を全く取り入れていないちびに対して、怒るのは筋違い。
もっと丁寧に教えてあげなかった私が、間違っていたことを、今となって悔やむも、今更仕方ないので、早速再発防止策を講じようかと思う。
「ちび、一体どんな練習をしたんだ?」
寝てるかのように動かなかったちびは、「んしょー」とまるで重力が2倍はあるかと思わせる動きでゆっくり体勢を着座に移行させ、私を正面に座り直す。
私とちびの位置が数分前と真逆になっているわけだ。
「とねー、頑張ってスペルを覚えてみたしーメテオは止めて、
もうちょっと簡単なの練習したしーとかとか」
「簡単なのを練習ってのはいいんだが、前回言ったのは基礎を練習してみようってことであって、その重要なところの成果があまり見られない。だから、今から説明するからよーく聞いておくように」
「は~~い、お姉さん先生登場だ」
間延びする返事に先行きの不安を抱くが、とりあえずやってみよう。

「まずは魔方陣。頭の中で魔術のロジックを組んでいき、魔力に
よって視線を媒介に結果を投影させて、地面に魔方陣を描いてい
くわけだけど、組むことと描くことが同時に出来ればいいが、最
初はそんな器用なことが出来るはずがないし、難しいことなんだよ。
だから魔方陣は先に書いて練習すること」
「え、組まないと描けないよ?」
「それはぶっつけ本番描きだからだ。その前に下書きをするってこと」
足元に落ちている手頃な枝を選んで、「こんな風にね」と地面に
魔方陣を描いていく。
直径にして1メートルほどの円を描き、続いて内部に図形を描いていく。
「わー、うまーい。ンンン・・・・・・あれれ、三角?」
感心するところではないのだが、敢えて次へ行こう。
「そう、三角形。最初は簡単な形からでいい。いきなり十角形なんて
高度な図形は無理無理。基礎魔術だったら安定且つイメージもしやす
い三角形で充分。高度になる、もしくは威力を高めるに従って、三か
ら五、六、そして十と徐々に複雑にしていけばいい」
「ふむふむ。十角形ってもぅ今何角形目なのか全然わかんなくなって
たんだよ~そっか~星いっぱいのがカッコイイと思ってたけど、最初
は三でいいんだぁ」

やっぱり見た目のかっこよさ、感覚で描いていたか・・・・・・
「七角形とかはもってのほかだ」
「そだよねー割り切れないよね」
わかってるじゃないか・・・・・・
「そしてロジックを組む際のスペルも同様。もっと簡単なのでいい」
「えぇぇぇぇースペルはかっこいいのがいいよぉー。これは絶対。うん、絶対」
猛然と反抗的にかっこよさ主情主義を訴えてくるちび。
「カッコイイとかは出来てから磨いていけばいい。言葉にすることで
具体的なイメージを持てるようにすること、そして内在する魔力を発
するきっかけとするってのが詠唱であり、術式文言ことスペルだか
ら、もっとイメージし易いものでいいよ」
「うむむむむー」
不服そうに唸って「そうなのかぁ、うんにゃ、そうじゃないと思う
なぁ。かっこいいのはかっこいいのに・・・・・・」とぶつぶつ呟いている。
「だぁから、カッコよさは後回しにして、まずは基礎的な部分をしっ
かり練習しないとダメなんだって」
こんなところで悩まれても困るのだが、とりあえずは強行突破ある
のみ。
「次は詠唱と魔術のロジック、魔方陣反映への流れについて説明。まずは詠唱部分。
さっきも言ったけど、詠唱はイメージのきっかけ部分、ロジックって
やつは頭の中でしか構成が出来ないし、視覚からは得られないわけで、完全に想像によって組み立てていくしかない。右脳がモノを言うんだ
けど、脳のトレーニング方法はまた今度にしておいて、想像ってや
つは、酷く不安定で、移り気しやすく、特に全体を留めて置くこと
ってのは至難の業なわけ。だから出来上がった部分から魔方陣へとビ
ルドしていくわけで、まあそれも後でいいや。そんで、視覚からの
絶大な助力を得られないから、言葉にすることで、聴覚からの情報
を使い、多少なりともカバーしてやろうと。それに言葉は力を発現、
開放することが出来るってのもある。スペル構成でいえば、例えば・・・・・・」
と、先ほど手に入れた枝で地面にいくつかの術式を書いていく。
簡単な魔術と言えども、ロジックを言葉で説明するのは存外難しい
もので、論理立てて、一から理解させるためには、それこそ視覚で
のイメージが不可欠となる。

「まずは光源をつく・・・・・・!?」
基礎的なロジックを書き終えて、それぞれについて簡単な説明を始め
ようと、ちびに向き直ってみると、ちびは私が仕事にて調達した紙袋
の中から、無色透明な液体で満たされた瓶を取り出し、コルクを抜き、正に今、口を付けようとしているところだった。
「・・・ちょ・・・ま、」と慌てて静止の一声を掛けた最中、ゴクリと、
暑さの中で一際心地良く、軽快で羨ましい音が鳴った、気がした。

飲んじゃった・・・・・・その無色透明な液体は、液体と表現しているだけあって、水じゃない。
クライアントの依頼で調達した酒だ。
(『それで今回依頼したいのは、材料の調達なのですよ。
巷で話題の激辛カクテル、デスドライブのね。暑さを熱さで吹っ飛
ばす、まあ相乗になるか、相殺になるかは試してみないとわからな
いのですがね。まずは最強最悪香辛料のデスパウド、それにベース
となる、正体不明の酒、レモンに、クラド地方原産の砂糖、それと・・・・・・』)
またも依頼人の顔がちらつく。
『正体不明の酒』
ちびが口にしたのは紛れもなく酒だ。ちびが酒に強いとは到底当然思えない。
もしもがっくり来られたら、ちびをおぶって町まで運送しないといけないのは自明の理。
案外、ケロっとしたままアルコールを分解してくれるという希望的観測を持ちつつ、様子を見る。

動かない。

と、ちびが瓶を置き、ゆらりと残像がちらつくかのような不穏な動き
で立ち上がったかと思うと、目を見開いたまま、また硬直状態へ移行
した。

・・・・・・

澄み切った青い空、真っ赤な太陽、一面に拡がる緑黄の大地、ささやかに流れる透明の風。
そして色を掻き乱すように響き渡る子猫の鳴き声。

・・・・・・猫!?
「にゃぁぁあぁぁぁあぁぁあああああああああああああ」

狂想曲の始まりだ。
酔い人の傾向と対策 其の弐
- 2 -

街道から少し離れた平原。
晴天は変わらないものの、時折吹く草木そよぐ風が、初夏の匂いを運んできて、心を落ち
着かせてくれる。
こちらを警戒して見え隠れする小動物もいれば、意にも反さずどっしり構えた草食獣も
いる。
ざっと見渡すに取り立てて危険な動物、モンスターはいないようだ。
元来この辺りには凶暴なヤツはいないので、さほど警戒はしていないが、注意を怠るわけ
にはいかない。
一際大きく生い茂り、枝葉を傘のように拡げた樹の根元、陰になって風の恩恵を大いに受
けられる絶好の場所で、葉を揺らす音に耳を傾け、腰を下ろすに最適な根にちびと共に、
一時の休息を得る。

隣にちょこんと座っているちびも随分落ち着きを取り戻したようで、すやすやと寝息を・・・
!?
「ちょっと待て!ちび、何故寝てるんだ」
子猫が日陰で丸まって寝ているのと同様に、気持ち良さそうに寝息を立てているちびを
無慈悲に揺り動かして、目覚めさせる。
まぁ当然だろう。曲がりなりにも仕事途中なため、ぐっすり夢の中へ旅立たれると
身動きが取りづらくなる。それこそ無慈悲に置いていってもいいが、置いていくと、
後々の泣き、喚き、ご機嫌のななめ具合を考慮すると非常に面倒となるのは、経験から
学習済み。
よって起きて貰うのが最良の選択。

「ん、んー?」
これまた子猫のように手を丸めて目を擦る仕草のちびが鳴き声をあげる。
「ささ、起きろ起きろ。私に練習成果を見せるんじゃなかったのか?」
「んー?なんだろう・・・」
「おいおい」

完全に寝惚けているちびの目が徐々に見開かれていくのと比例して、記憶も再生され始め
るらしく、両目ともにパチクリさせて、やっと意識がはっきりとしたかな、と思うと、
閃くように思い出す。
「あーあーそうだよ、そうだよ。お姉さんにね、見て欲しいんだ。いっぱいいっぱい練習
したんだよ。そんでね。ちょっとだけだけど、ぼわってなったんだよ!すごくね、吃驚し
て泣きそうになったけど、嬉しくても泣きそうになっちゃった。ぼわっ、だよ!ぼわっ!
だから、お姉さんに見て欲しいの」
眠気眼からハイテンションへの俊敏で華麗なワンジャンプについて行けず気後れさせられる。
ちびの感情なりテンションなりの起伏は激しく、応対には少なからず柔軟性が要求される。
「落ち着け!わかったから。いつものヤツだな?そしていつも通りの展開が予想されるわけ
だが」
「ん、何か言った?」
「いんや、気にせずどうぞ」
「んじゃあ、見ててよー」
そう言って、腰を上げたちびは、根に接触してついたお尻の汚れを、パンパンと威勢良く
音を立てて払うと、ニッコリ微笑んで、右手首に嵌めたブレスレットに手を添える。

メビウス状の輪の中に蒼い宝石が埋め込まれており、その宝石の深みある色合いが、
濃度をあげて鮮やかに発光し、同時にちびの前方の空間が一瞬歪んだかと思うと、
棒状の輪郭が薄っすら浮かび、突如、質量を持った杖がまるで瞬間移動してきたように現
れる。

ディメントブレスレット

蒼い宝石は魔法石の欠片であり、その魔法石と杖とを手続きによって対応付けすることに
よって、位相次元において石と杖との座標アドレスを一致させることが出来、腕輪の構造
をメビウスにすることにより得られる魔力の無限循環にて、両物質の実質的な距離を排除
して、呼び出すことが出来る。

・・・らしい。
ちなみにこの魔法石の欠片+メビウスのコンボは多種多様に応用され、分野問わず、
魔法を動力とする道具の基本構成になっていて、今では一般でも手軽に手に入れられる
ようになっている。

さて、杖を取り出したちびは、既に零れ落ちている笑顔で、大きな瞳を私に向けている。
「お姉さん。でわでわ、行くよー、練習の成果をとくとご覧あれぇ」
ちびは目を瞑ると瞬時に真顔になって、杖の上部にある大きな魔法石を顔の正面に移動さ
せる。まるで両手でマイクを握って歌いだすかのような格好。
座っている私からは魔法石の半透過と屈折によってちびの顔が確認出来なくなった。
何とか透けないものかと目を凝らしていると、魔法石の色が俄かに濃くなり、
呼応するように私とちびの間、丁度真ん中辺りの地面に光る曲線が描き出されていく。
「深淵に内奥せし真円と巡る輪との邂逅、」
詠唱につれて円の内側には幾本もの直線が浮かび上がってくる。
1,2,3本・・・・・・
直線は益々増えていき、複雑に折り重なっていく。
星…4,5・・・・・・
幾何学文字も円の空白を埋めるように現れる。
6,7。
「7!?」
均整のまるでとれていない星が出来上がっていた。
「・・・・・・昇華に類するめ、め、えっと、滅焦せし真紅の・・・」
詠唱?は続いているが、そもそも魔力を安定、収束させ、留めて置くための円が・・・・・・
輪ゴムのようにいともあっさりと歪んで楕円になってしまっている。
光は薄れていき、あちこちに綻びが出来てきては、その形を不恰好に変形していく。
神秘的な光も消えかけた微かな残り火となったところでちびが叫ぶ。
「ファイヤーボォォル~~~!!」

しゅー
・・・・・・消えた。
地面に描かれた紋様が綺麗サッパリ消え失せて、残ったのは、杖を地面に向け、
片足を踏み出し、魔術発動における自分なりの格好付けたポーズで固まったちびだけだ。
さっきまで暑かったと思っていたのはどこへやら、今は少し寒いように思えるのはどう
してだろう。固まったまま微動だにしないちびの姿が、人気のない店に置かれた招き猫
のように物悲しい。
「ち、ちび?」
恐る恐る呼びかけてみた私の声に、ビクッと我に返ったちびは、佇まいを直し、杖を顔の
前へ移動させ、「深淵に内奥せし・・・・・・」と再び詠唱を始めた。

・・・・・・な、何もなかったことにしてるよ。

術式文言(スペル)が異なるので先ほどとは違う魔術だろうが、過程は一目瞭然に前回と
同様の道順を一歩も踏み外すことなく辿っている。
歪な円に消えかけの魔力。
結果は非(火?)を見るよりも明らか。
「ファイヤーアロォォゥ~~~!!」
ちびの気合だけは入ったキメ台詞だけが、私の心に矢となって突き刺さってきた。
酔い人の傾向と対策 其の壱
記憶が無くなるほど酔っちゃう人に捧げます。


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『酔い人の傾向と対策』
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- 1 -

「あちぃー」
言葉にすることで、涼しくなるわけでもなんでもないが、無意識に発してしまう言葉って
ものは存在する。
その1つが「暑い」かな。

服なんて防護を簡易に通り越し、針の如く肌を突き刺してきては、可視長外の紫外線と
いう卑怯極まりない攻撃を絶え間なく仕掛けてくる、見渡す限りの晴天域よりカンカン
ガンガンに照り付ける日差し、否、日刺しに、私は何度目かの「あちぃー」を繰り出し
てしまう。

服が汗を吸収してはそのべとつきによる着心地の悪さをじっとりと増して行く不快感は
機嫌そのものも不快にさせて、やる気、気力を根こそぎ削ぎ落とし、代わりに怠惰を積
もらせて足を重くさせる。

顔から滴り落ちる汗が両手に抱えた荷物に吸い込まれ、紙袋を滲ませる。
1キロはあろうかという荷物に恨みがましく視線を落とす。

それにしてもこの暑さで、熱いものが欲しいってどういった神経をしてるんだか・・・
『暑いときに熱いものを食べ、寒いときに冷たいものを食べる。それが通なんですよ。
わかるでしょ?わっからないかなぁ。そこで、かの有名な激辛の・・・』
なんて理にも適わなければ、理解もし難い非凡な主張をしていた依頼主に今更ながら毒
づいてみる。
仕事さっさと終わらせてシャワーだシャワー。
表面上の汗による水分ではなく内面の乾いた身体への水分補給を夢見て、
多少足取りを軽くする計画が、次の一声で、あっさりと崩れ去ってしまう。

「おねえさーーーーーーん!!」

陽炎のように揺らめく視界に少女がこちらへ歩いてくる姿が映る。
歩いて・・・イヤ、走っているようだ。
走っているとは思えないほどのんびりした歩調、ステップで、スカートを揺らせ、長く
青い髪をたゆらせ腕は振らずに手を振りながら、苦しげな中にも満面の笑みを浮かべて、
こちらに向かってくる。
全身真っ白な服が、日光に照り返り鮮やかに存在を際立たせている。
映える白から足元に目を移すと真っ赤な靴。
少しサイズが大きいようで、地面を踏み、次の一歩を踏み出しても、靴の踵部分が足につ
いていかずに脱げそうになっているのがしばしば見受けられる。
印象的な大きめの赤が、走る妨げにはなっているのだろう。

20メートル程、走った辺りで、緩慢な競歩にも似た速度が、完全に徒歩のそれへと
変わった。
先ほどまでの笑みはどこへやら、俯き、肩で息をしている様子が、遠目ながらにも確認
出来る。私も歩いているため、徐々にではあるが二人の距離は縮まるものの、明らかに
ペースが落ちているし、あまり貯蓄量がなさそうなスタミナは、もう既にガス欠手前と
いった状態で、動きを鈍らせている。
そうこうしている内に後10メートルといった所で、歩みを止め、座り込む始末。

――到着。
体力のなさに呆れてしまってうんざり顔で少女に近づく。
俯いたまま足を抱え、地面に「の」の字を書いているご様子。
「おぉーい、ちび、大丈夫か?」
彼女こと、通称ちびに一声掛けてみた。
「はぁ、はぁ、だ、だいじょ、ぶ、く、はぁ、な、い・・・」
ちびの息遣いは荒く、言葉を吐き出すよりも息を吸いたいようで、苦しげに返してくる。
息の上がったちびではあるが、汗はまるでかいていない。
体温調節を汗では行っていないということなのか、一体どういった肉体構造してるんだか、
皆目検討もつかないし、つけようとも思わないが、ちょっと羨ましく思う。
そういえば普段からちびが汗をかいている姿を見たことがないような気がしてくる。
いつもは気にも留めないことにふと気が付くと、記憶を手当たり次第ひっぱってきても
どれもがおぼろげで確信が出来ないことがもどかしい。
確かに視認出来る全ての情報を逐一、蓄積していくと、記憶容量なんかは遥か昔に
オーバーヒートしてパンクしてしまってることだろう。

「お、おねぇ、さ、ん・・・れ、れんしゅ、したか、ら、み、みてほ、し、」
少し走って簡単にオーバーヒートしてしまったちびが、息もからがら喋り始める。
「待て待て。ちょっとゆっくりしよう」
ちびの肩に手をやり、落ち着きを促してやる。
「う、ん。ありが、と」
「とりあえず日陰に行こうか。こんな道のド真ん中だと休んでるだけでも、日差しが辛い」
道すがらにはちらほらと、野菜や果物、織物や日曜雑貨などを売る露店が軒を並べ、
決して賑わっているとは言わないものの、近辺の住人であったり、荷車を引くどこぞの
行商なりが道を通り、さほど横幅は広くないここで座り込んでいるのも気が引ける。
何よりも暑いのは勘弁だ。
「さ、移動だ。移動」
肩に置いた手をちびの目の前にかざす。
ほら、っと差し伸べるが、ちびは訝しげに私の手を見つめて「むー」と呻き、
口をアヒルのように突き出して、たどたどしくもバランス不均衡に立ち上がる。
「いい。1人で、立てる、もん」
空振った所在無げな手を逃がす様に、自分の首筋の汗を拭き取ってみる。
「ったく、変なところで頑固だよな、お前は」
「お前じゃない!」
常套句に常套句を返すやり取りだが、『お前』に対する反応は、
非常に速く、手厳しいお叱りを受ける。
何時もならざる機敏な反応に微苦笑を浮かべ先を促す。
「はいはい。じゃあ行きますか。ちびさまちゃん」

汗を拭き取った手が、すでに乾いている。
少し涼しくも感じる右手に荷物の重心を預け、後ろでよたよたふらふらと付いて
来るちびの気配を感じながら、手頃な休憩場所に向かう。

日は照り続けている。

「あちぃー」

ほら、また勝手に口から漏れ出してる。
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